振付に挑むダンサーに訊く【若宮嘉紀】
7月6日に開催する「NEXT」公演では、5人のダンサーがそれぞれの振付作品を披露します。
現在リハーサル真っただ中の彼らに、創作のきっかけやリハーサルの様子などをききました。
ミニインタビュー:若宮嘉紀

「Malasangre」©Kiyonori Hasegawa
今回、振付に挑もうと思ったきっかけは?
やらない後悔をしたからだと思います。
バレエ学校時代の課題に「carte blanche 」、日本語で「白紙」、いわゆる創作課題がありました。振付も配役もすべて学生だけで行い作品を披露するものだったのですが、当時挑戦したい気持ちはあったものの、言葉の壁もあり手を挙げることができませんでした。
それが後悔として今も頭の片隅に残っており、今回の挑戦の後押しになったんだと思います。
今回上演する『Repro』。どのような作品なのでしょうか?
“書く、描く”がテーマの作品です。
宮廷の床に歩きながら図形を描いていたことがバレエの起源とも言われているように、空間に直線や曲線などを描いていくのがダンスのメカニズムのひとつとなっています。
そこからインスピレーションを受け、日本語で同音異義語である“書く、描く”の動きを敢えて強調した作品を創りました。

振付はどのように進めたのでしょうか?
テーマにもなっていますが、とにかく書きました。思いついた感情やイメージなどをすべて書き出し、振付に落とし込んでいきました。
いざリハーサルを始めてからは思ったようにいかないことも多く、一緒に踊ってもらう小澤君と意見を言い合い試行錯誤しながら創っていきました。

最後にお客様に向けて一言いただけますか?
“書く、描く”動作を担う右手の動きだけでなく、ふたりの肉体や感情の軌道、軌跡を追いながら観ていただければと思います。

スターダンサーズ・バレエ団公演〈NEXT〉Vol.2
2025年7月6日(日)14:00
テアトロ・ジーリオ・ショウワ
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