この物語は、とあるドイツの街でのクリスマスのお話です。クララは、お酒が好きなお父さん、口うるさいお母さん、お年頃のお姉さん、やんちゃでうるさい弟と一緒に暮らすごく普通の女の子。でもクララはよく思うのです。
「私はまだ大人ではないけれど…でも子ども扱いされるのはイヤだわ。」

クリスマスマーケットは、たくさんの家族で賑わい楽しそうです。そこへ、不思議な人物が人形劇の小屋とともにやってきました。その人はドロッセルマイヤー。彼が見せる人形劇にはいつのまにかクララの人形やくるみ割り人形まで入ってしまったではありませんか。人々がそろそろ家に帰る時間になっても、クララはその場から離れることができません。
「私の人形はいったいどうなってしまったの？」

天井からぶら下がった人形たち。そこはクララが人形劇で見た世界でした。そこへ、マーケットにいたネズミたちが侵入し、人形たちに悪さをします。クララが人形たちの糸を切り離してあげると、くるみ割り人形を先頭にネズミたちとの戦いが始まりました。

クララの助けでネズミたちは退散。めでたく自分たちの国に帰れることになった人形たちは、感謝のしるしにクララを誘います。
「さあ、私たちの国へ一緒に行きましょう。」
クララと人形たちは雪の野山を越え、人形の国へとむかいます。嬉しそうな人形たちを見ていると、クララも幸せな気持ちになるのでした。