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バレエマスター福原大介に訊く「フォー・テンペラメンツ」

3月7,8日に開催する『オール・バランシン』公演では、13年ぶりに「フォー・テンペラメンツ」を上演します。
出演するダンサーのほとんどが初めて挑むことになる本作について、前回上演時に出演していたバレエマスターの福原大介にその見どころなどを聞きました。

 

Photo by Worldwide Dancer Project

 


1946年初演の「フォー・テンペラメンツ」。スターダンサーズ・バレエ団で上演するのは2013年以来、実に13年ぶりとなります。“人間は4つの異なった体液から成り、それが各人の気質を決定する”という中世の考えに着想を得て創られたということですが、どのようなバレエなのでしょうか。

「フォー・テンペラメンツ」は、バランシンが創った初期の作品で、四体液説/4つの気質がベースとなっています。まず〈テーマ〉として男女ペアの踊りが3つあり、そのあとに4つの気質を表す踊りが踊られます。

〈メランコリック(憂鬱質)〉は、男性1人と女性6人が踊ります。ジャンプが多く、身体を反ったり、床に倒れ込む動きなどが特徴的。

メインの男女ペアと女性4人が登場する〈サンギニック(多血質=快活)〉の踊りはとてもエネルギッシュ。高度なテクニックが求められるパートです。

〈フレグマティック(粘液質)〉は男性ソロと女性4人。〈無気力〉がテーマで、脱力するような動きがあります。

メインの女性ダンサー1人を中心に踊られる〈コレリック(胆汁質)〉が表すのは〈怒り〉。シャープで強さのあるダイナミックな踊りが特徴的です。

どこをとっても音楽と振付がマッチしていて、観ていても踊っていてもとても気持ちがいい。
バランシンの作品はいわゆるプロットレスバレエとされますが、人間の本質的に持っている感情が見られるバレエだと思っています。

 

「フォー・テンペラメンツ」サンギニック/林ゆりえ、吉瀬智弘(2013年)©A.I Co.,Ltd.

 

大介さんは、前回2013年の上演時に出演されました。そのときの作品の印象について教えてください。

当時はまだ若かったこともあり、「フォー・テンペラメンツ」のような“ザ・バランシン・バレエ”といった作品は観たこともなかったんです。骨盤を前に出したり、オフバランスにしたりと、普段のクラシックバレエにはない動きやステップが多くて、最初に踊ったときは戸惑いもありました。体力的にもとてもハードな作品です。

僕はメランコリックを踊らせていただいたのですが、メランコリック=憂鬱というテーマの通り、一つ一つのステップに苦悩や重さを出さなければなりません。音の中で振付の通りに動くだけではなく、その中で感情を表現するのが難しかったことを覚えています。

 

「フォー・テンペラメンツ」メランコリック/福原大介(2013年)©A.I Co.,Ltd.

 

今回同じパートを踊るのは、芯の強さを活かした品のある踊りが魅力の牧村直紀くん(7日)と、強い筋肉としなやかさを備えたダイナミックなダンサー飛永嘉尉くん(8日)。ふたりとは、自分が踊ったときのことを思い出しながら、「ここがキツくて大変」「難しい」という部分を共感しあったり(笑)。他の作品とは違った彼らの魅力、表情がみられると思いますよ。

 

「メランコリック」リハーサル中の牧村直紀。後ろにいるのは飛永嘉尉。

 

今回ほとんどのダンサーが作品初挑戦となると思いますが、ベンさんの指導において印象深いことはありますか?

ベンさんのリハーサルは、ステップを正確に踏むことはもちろんですが、カウントだけではなく音楽をしっかり表現するようにとよくおっしゃっています。これは、「フォー・テンペラメンツ」だけに限ったことではなく、他の作品においても共通しています。ステップをただこなすのではなく、そのステップで何を表現したいのかに意識を向けることが求められる印象です。

 

メランコリック

 

テーマ1(阿部裕恵、西澤優希)

 

 

 

『フォー・テンペラメンツ』は初めて観る方も多いと思いますが、その見どころなど、最後にお客様に向けて一言いただけますか?

「フォー・テンペラメンツ」の見どころは・・・全部です!(笑)
音楽もとても素晴らしいですし、作品のベースとなっている4つの気質の違いをダンサーたちがどう表現するのか、楽しみにしていただければと思います。
普段馴染みのあるクラシックバレエでは見ることがないステップなど、バランシンならではの動きに注目するのも面白いのではないでしょうか。
今回上演する「ワルツ・ファンタジー」「ウェスタン・シンフォニー」、そして「フォー・テンペラメンツ」は、3つとも雰囲気がガラッと変わる作品なので、バランシンの世界にたっぷり浸っていただき、その世界観をぜひ楽しんでいただければと思います。

 

 

 

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