この物語は、とあるドイツの街でのクリスマスのお話です。クララは、お酒が好きなお父さん、口うるさいお母さん、お年頃のお姉さん、やんちゃでうるさい弟と一緒に暮らすごく普通の女の子。でもクララはよく思うのです。
「私はまだ大人ではないけれど…でも子ども扱いされるのはイヤだわ」

クリスマスマーケットは、たくさんの家族で賑わい楽しそうです。そこへ、不思議な人物が人形劇の小屋とともにやってきました。その人はドロッセルマイヤー。彼が見せる人形劇にはいつのまにかクララの人形やくるみ割り人形まで入ってしまったではありませんか。人々がそろそろ家に帰る時間になっても、クララはその場から離れることができません。
「私の人形はいったいどうなってしまったの？」

天井からぶら下がった人形たち。そこはクララが人形劇で見た世界でした。そこへ、マーケットにいたネズミたちが侵入し、人形たちに悪さをします。クララが人形たちの糸を切り離してあげると、くるみ割り人形を先頭にネズミたちとの戦いが始まりました。

クララの助けでネズミたちが退散すると、人形たちは感謝のしるしにクララを自分たちの国へと招待します。
「さあ、私たちの国へ一緒に行きましょう」
クララは雪の野山を越えて、人形の国へむかいました。

人形の国では、行方不明になっている仲間たちのことを思い、悲しみに沈んでいます。そこへ、門番から、よい知らせが飛び込んできました。久しぶりに家族がそろった人形たちは大喜びでクララに感謝します。くるみ割り人形はこの国の王子さまだったのです。

王さまは、自分たちのような結婚の衣裳を着て踊るよう、ふたりにすすめます。
このまま一緒にこの国で暮らそうと誘う王子と人形たち。
でもその時クララのこころに浮かんだのは…。